真鯛のカゴ釣りの真髄を見た!
4月も中旬になり、磯で狙う真鯛の時期を迎えるかと思いきや、なかなか本格的な暖かさにならず、さらに週末は荒天が続き、釣り人には厳しい磯釣りシーズンの始まりとなっています。
今年の冬の冷え込みが影響しているのか、チヌの乗っ込みも少し遅れているようであります。
そんな中、磯周りに魚がいないなら沖の魚を仕留めてやろうと狙う、岡山県在住のトップアングラーMさんの釣りに同行取材をさせていただきました。
カゴ釣りで狙う真鯛
Mさんはビッグゲームからフカセ釣り、カゴ釣りなど全てを高次元でこなす超一流アングラーであります。海を知り、魚を知り、己を知り、それらをアジャストさせることで見事に結果を残します。瀬戸内海での真鯛のカゴ釣りの第一人者であり、瀬戸内海では唯一のカゴ釣り師です。
2018年4月15日 小豆島で真鯛を狙ってのカゴ釣り
利用した渡船は朝日丸さんです。小豆島南岸で真鯛を狙います。
本日のMさんの狙いは、磯際に寄ってきていない真鯛を沖の深場で喰わせることです。
ポイントに到着すると、海を眺めることから始まります。
海の色、空模様、潮の流れなど五感を使って観察して、「今日は釣れますよ!」と一番に言ってのけました。
さっそく、潮筋を狙える位置に足場を確保してセッティングを行います
使用する撒き餌は生オキアミです。
海がクリアな外海は視覚効果のボイルを使い、海の濁っている瀬戸内では臭いの効果が大きい生のオキアミを撒き餌さとして使うということです。
刺し餌はオキアミの生とボイルを使用します。
釣り開始
釣りを開始するにあたって、水深のチェックを行います。
船長から沖の地形や水深、浅瀬の位置、ピンポイントの水深などを聞いて備えたあと、底取り鉛を使用して正確に水深と海底の地形を把握していきます。
コンピューターの用に素早く正確に全ての手段を使って、海底の地形を演算していきます。その様は見事で鮮やかです。この作業を行うことによって、その日の釣りを組み立てていきます。
そしてキャストを行い釣り開始!
沖を緩やかに流れる潮に仕掛けを投げ込んで、モーニングの大鯛を狙います。満ちの本流に引かれる潮に乘せていきます。
一定区間を流したら回収しながら撃ち返し、沖の潮目が近くに寄ってくる瞬間を待ちます。
そして満ちの潮が弱り沖の潮目が近づいてきた時でした!
流していく仕掛けが浅瀬の方に入った瞬間、微妙な前アタリが・・・
真鯛独特の一発でウキを消し込むアタリとは違い、渋いアタリがウキに出たのを見逃さず、効きながら合わせます!
すると竿に重みが乗って、綺麗な弧を描きます!
竿を叩く真鯛の引きです!
ユックリと竿の曲がりを楽しみながら安定のやり取りで浮かせます。
ウキが見えたあと、水面には赤い魚体が見ててきました!
良型の真鯛です!
まん丸く太った見事な50㎝の真鯛です。
そして次を狙うべくキャストを繰り返します。
満潮が緩んでいい状態になっているので期待を込めて撃ち返しますが再現しません。
下げ潮に期待
潮はすぐに下げに変わりゆっくりと流れ始めます。
この流れが、次第に足元をかすめて出ていく1本の線になっていきます。
これが本日の本命の潮です。
Mさんはこの潮を狙うためにベストの立ち位置にポジションを変更します。
そして綺麗な本流の潮筋に仕掛けを入れて流していきます。
ウキは本流の潮に運ばれながらユッタリと沖へ向かって出ていきます。この流れが本当に良いスピードで今にもウキが入りそうです。
沖を流れるウキに少し反応があり、エサをかじられました。
すかさず次のキャストでそのエリアを重点的に狙って誘いを入れます。
するとウキが消し込み!
またまた、竿が綺麗な弧を描いています!
安心のやり取りで上がってきたのは46㎝の真鯛!
鮮やかです!
この潮で次を狙いに行きますが、すぐに潮が消えてしまいました。
その後は潮の方向が変わり、良い流れとならず真鯛の姿は見えません。
しかし、そんなパットしない潮の中から今度はコブダイを次から次へと掛けていきます!
Mさんの魚を仕留める能力は計り知れないものがあります。
シンプル イズ ベスト!
今回のMさんの釣行取材は、乗っ込みが本格化しない磯での真鯛釣りでしたが、沖の潮目を重点的に攻めることで見事に釣果を上げることに成功しました。
Mさんの釣りを見て、重点を置いているのが
- 地形の把握
- 潮の把握
- タナの調整
Mさん曰く、
魚釣りとは単純なもの。小手先の小細工など通用しないので、決まった仕掛けを撃ち返すだけ。
潮を見極めて、その潮に仕掛けを運ぶことができれば必ず魚は釣れる!
「シンプル・イズ・ベスト!」
ブレない信念が勝利した瞬間を見せつけられました!