【連載第2回】私のフカセ・カゴ釣りタックル全公開 – グレ釣り用ロッド編
第2回は、グレ(メジナ)釣り用のロッドについてご紹介します。チヌとは異なる、グレ特有の強烈な引きに対応するため、より強靭でパワフルなロッドが必要になります。
グレ釣りに求められるロッドの性能
グレ釣りは、チヌ釣りとは全く異なる世界です。特に良型のグレや尾長グレは、その引きの強さで知られ、一瞬の油断が大型のバラシに繋がります。荒磯や潮の速い場所での釣りも多く、ロッドには以下の性能が求められます。
- 強烈な引きに耐えうるパワー
- 荒天時でも安定した操作性
- 重量仕掛けにも対応できる懐の深さ
- 不意の青物にも対応できる強度
私のグレ釣り用ロッドは2本。それぞれが明確な役割を持ち、状況に応じて使い分けています。
がまかつ アテンダー3 1.5号 5.3m – グレ釣りの主力
【基本スペック】
- 号数:1.5号
- 全長:5.3m
- 自重:約218g
- 適合ハリス:1.25〜4号
- 錘負荷:1.5〜4号
アテンダー3の1.5号は、私のグレ釣りにおける主力ロッドです。口太グレから尾長グレまで、幅広いターゲットに対応できる万能性を持っています。
胴調子の真骨頂
アテンダー3シリーズの最大の特徴は、「操作時には先調子、掛けてからは胴調子」という相反する特性を高次元で両立させた点にあります。
前回のチヌ編でもご紹介したタフマトリックスシステムやウルトラASDといった最新技術は、1.5号でもフルに活かされています。特に1.5号という強めの号数になると、その真価がより顕著に現れます。
実釣での圧倒的な安定感
和歌山県や三重県の磯での実釣レポートによると、50cmクラスの口太グレを相手にしても、竿が大きくしなやかに曲がりつつ、有り余るトルクで余裕のやりとりを楽しめるとのこと。
魚が走った時に竿が追いかける感覚、止まった時に戻す感覚、首を振った時にいなす感覚が素直でわかりやすく、竿とのコミュニケーションを楽しめます。これこそが、アテンダー3が「名竿」と呼ばれる所以です。
大型グレの場合、泳ぐときの体の振り幅が大きく、最初は竿が叩かれます。硬い竿や曲がりの途中で硬さの変わる竿だと、パンパンと竿が弾いてテンションが緩んだ瞬間に走られてしまいます。
しかしアテンダー3は、叩かれてもゴムのようにすぐに戻ってテンションが緩まない特性があります。だから思い切り走られないし、切られない。これは実際に大型グレを掛けた時に実感できる、アテンダー3ならではの性能です。
操作性の高さ
1.5号という号数でありながら、横風が強い状況でも竿がS字にたわまず、張りがあって操作感が非常に良い。これは合わせやすさにもつながります。
荒磯や潮の速い場所で重めの仕掛けや大きなウキを使う際も、しっかりコントロールできます。やり取りに関しては何の問題もなく、魚の走りを止めてから最後まで本当に楽だという評価が多数寄せられています。
使用シーン
- 口太グレの標準的な釣り(メインロッド)
- 荒磯や潮の速い場所
- 良型の尾長グレが混じる可能性のある場面
- 多少の風や悪条件でも安定した釣りがしたい時
がまかつ インテッサG5 1.75号 5.3m – 最強の切り札
【基本スペック】
- 号数:1.75号
- 全長:5.3m
- 自重:約255g
- 適合ハリス:1.5〜5号
- 錘負荷:2〜5号
インテッサG5(G-V)は、がまかつのフラッグシップモデルであり、磯竿の最高峰に君臨するロッドです。2015年の発売から現在まで、その地位は揺るぎません。価格は17万円超と高額ですが、その性能は価格に見合った、いやそれ以上の価値があります。
全角度対応調子という革命
インテッサG5の最大の特徴は、「全角度対応調子」と呼ばれる独自の調子です。先調子や胴調子という概念を超越し、どのような角度、どのような使い方でも最強の「力」を発揮します。
**スーパーアクティブサスデザイン(Super ASD)**により、継ぎ目の段差を従来比50%以上削減。ワンピースロッドに匹敵するスムーズな応力伝達を実現し、驚異的な粘り腰を発揮します。
**パワークロスシステム(PCS)**により、ネジレ剛性を強化。ロッドを立てた時でも竿が振られにくく、安定したやり取りが可能になりました。
圧倒的な「力」の正体
インテッサG5は、竿を立てる、寝かせる、横に泳がすといった攻めの状況から、のされそうになる、手前に突っ込まれる、横に走られるといった守りの状況まで、すべてにおいて竿が的確に働きます。
ナノアロイ適用カーボンの採用により、磯竿に最も必要な衝撃強度が飛躍的に向上。従来のカーボンと比べ、まさに別次元の強度を実現しています。
スーパートップ2は、従来のスーパートップと比べ1.7倍の強度を実現。繊細さと感度を追求しつつ、さらなる高強度化を達成しました。100メートル先のアタリを鮮明に感じ取れる感度の良さは、本流釣りでも真価を発揮します。
実戦での使用感
持った瞬間に感じる「密度」。自重からは想像できないほどの操作性を実現する超低重心設計。竿元部に重量を乗せることで、竿本体を軽量化することなく十分な強度を持たせたまま持ち重りを軽減しています。
インテッサG5は1号で十分に50cmクラスの口太グレと渡り合えます。40cmクラスの尾長にも安心して対応できる懐の深さがあります。1.75号となれば、大型尾長グレや不意に食ってくる青物にも真っ向から勝負できます。
離島の夜釣りや神津島などでの実釣報告によると、思わぬ大物(真鯛など)が掛かった際も、インテッサG5の実力を実感できたとのこと。強い引きの魚を釣って、竿のポテンシャルが分かったという声が多数あります。
最高を追求した装備
チタンフレームIMガイドとトルザイトリングトップガイドを採用。SiCガイドよりも薄く軽量で、持ち重りの軽減に貢献しています。
専用設計のゴールドチタンコーティングリールシートは、高級感と機能性を両立。スクリューシートはフード部分にもラバーをコーティングする珍しい仕様で、デザインも秀逸です。
使用シーン
- 大型尾長グレの本気狙い
- 離島遠征や荒磯でのパワーゲーム
- 青物が混じる可能性の高いポイント
- 勝負竿として、ここ一番での使用
- 本流釣りでの遠投と大物対応
アテンダー3とインテッサG5の使い分け
この2本は、同じグレ釣り用でも明確に性格が異なります。
アテンダー3 1.5号は、胴調子の特性を活かしながら操作性を高めた万能竿。日常的な口太グレ釣りから良型尾長まで、幅広く対応できるメインロッドです。魚とのやり取りを楽しみながら、確実に獲るという釣りのスタイルに最適。
インテッサG5 1.75号は、最強の力で大物を制圧する勝負竿。どんな角度でも最強のパフォーマンスを発揮する全角度対応調子により、予想外の大物にも対応できます。離島遠征や、記録に残る一匹を狙う時の選択肢です。
マスターモデル2との比較
がまかつの胴調子ロッドとして、マスターモデル2という選択肢もあります。マスターモデル2は胴調子でありながら、インテッサG5に匹敵する操作性を持ちます。
違いは、マスターモデル2が一度魚の引きを受け止めるのに対し、インテッサG5は竿を起こすことで一気に魚を浮かせることができる点。どちらも完成度が高く、アングラーの好みでセレクトが分かれます。
アテンダー2(3の前作)と比較すると、アテンダー2はまさに胴調子という調子で、元竿を曲げ込んでファイトします。操作性ではインテッサG5が大きく勝ります。根が荒い釣り場や、太ハリスを使用する離島の尾長には、インテッサの方が支持を集めています。
号数選択の考え方
通常1.25号をお使いの方は、アテンダー3の1.5号やインテッサG5の1.75号を勝負竿として用意することをおすすめします。
良型の尾長が混じる状況や、離島、渡船など大型魚が期待できる釣り場の場合、強い竿を必要とする時があります。このような時は、迷わず強い竿を使うべきです。アテンダー3やインテッサG5がいい仕事をしてくれます。
コストパフォーマンスについて
インテッサG5の泣き所は、やはり高額な価格です。しかし、これは「最高」を追求した磯竿であり、コストパフォーマンスを求めるのは野暮なのかもしれません。
年に数回の離島遠征や、ここ一番で威力を発揮させたい時に登場させる。そういった使い方が、インテッサG5の価値を最大限に活かせる方法だと考えています。
メルカリなどで程度の良い中古を探すのも一つの方法です。インテッサは旧モデルでも性能が高く、中古市場でも人気があります。
まとめ
グレ釣りは、チヌ釣り以上にロッドのパワーと性能が問われる釣りです。アテンダー3 1.5号は日常的なグレ釣りの主力として、インテッサG5 1.75号は勝負竿として。この2本があれば、ほぼすべてのグレ釣りシーンに対応できます。
次回の第3回では、カゴ釣り用ロッドについて詳しくご紹介します。青物を本気で狙うための、さらにパワフルなロッドたちの世界をお楽しみに。
【連載予定】
- 第1回:チヌ釣り用ロッド編
- 第2回:グレ釣り用ロッド編(本記事)
- 第3回:カゴ釣り用ロッド編
- 第4回:フカセ釣り用リール編
- 第5回:カゴ釣り用リール編







