厳寒の海に挑む – 御荘・寒グレ釣行記

師走の空気が肌を刺す。この季節、磯に立つ者だけが知る至福の時間がある。

冬の海へ

愛媛県・御荘。黒潮の恩恵を受けるこの地は、寒グレシーズンの一級ポイントとして知られている。今回お世話になったのは、地元で信頼の厚い橋本渡船。長年この海を知り尽くした船長の案内で、期待の磯へと向かう。

朝焼けに染まる水平線。エンジン音だけが静寂を破る。この瞬間、俺は何度経験しても心が躍る。

磯に立つ

ゴツゴツとした岩場に降り立つ。装備を整え、潮を読む。冬の海は厳しいが、だからこそグレは美しい。銀鱗に輝く魚体は、まさに海の宝石だ。

仕掛けを投入する。フカセ釣りの醍醐味は、この「間」にある。撒き餌を打ち、潮に乗せ、魚を誘う。すべてが計算であり、同時に自然との対話でもある。

待望の一撃

竿先に伝わる生命の重み。来た。

グレ特有の引きは、何年やっていても痺れる。ドラグが鳴り、ラインが海中へと消えていく。慌てず、焦らず、魚の動きに合わせる。これが冬のグレとの真剣勝負だ。

 

ネットイン。美しい。

思わぬ高級ゲスト

そして今回、嬉しい誤算があった。ウスバハギだ。

この魚を知る者なら分かるだろう。高級魚として知られるカワハギの仲間。肝の美味さは格別で、冬場は特に珍重される。フカセ釣りでこいつが掛かるとは、冬の海からの粋なプレゼントだ。

グレを狙っていて、こうした出会いがあるのも磯釣りの醍醐味。海は常に、俺たちの予想を超えてくる。

磯釣り師として

俺たちが磯に立つ理由。それは魚を釣るためだけじゃない。

自然と対峙し、己の技術を磨き、そして海からの恵みに感謝する。この繰り返しが、釣り師を釣り師たらしめるのだ。

装備を片付け、橋本渡船の迎えを待つ。冬の陽は短い。だが、この数時間に詰まった濃密な時間は、何物にも代えがたい。



今回の釣行データ

  • エリア:愛媛県・御荘
  • 渡船:橋本渡船
  • 釣法:フカセ釣り
  • 対象魚:寒グレ
  • 釣果:グレ複数、ウスバハギ

冬の磯は厳しい。しかし、その厳しさを乗り越えた先にこそ、本物の釣りがある。

次回の釣行が、今から待ち遠しい。

海に感謝を。そして、また磯へ。

 

 

 

スポンサーリンク